2012年4月3日火曜日

佐々木則夫・なでしこジャパン監督 ~2012年の抱負~ |スペシャルインタビュー|日本代表|日本サッカー協会


 FIFA女子ワールドカップ ドイツ2011優勝で一躍時の人となり、チームだけでなく女子サッカー人気にも火をつけた、なでしこジャパン日本女子代表チーム。ワールドカップ直後のオリンピック最終予選にも大会優勝で出場権を獲得し、ロンドン行きの切符を手にした。4年前の北京大会で4位に終わってメダル獲得を逃した悔しさと反省を胸に、佐々木監督の下で2度目となる五輪大会で、日本は世界王者として優勝を目指す。
 昨夏のワールドカップ優勝を受けて変化した女子サッカーを取り巻く環境や、大舞台での成功を経てきたチームの熟成度、女子サッカーの現状などについて53歳の指揮官はどうとらえているのか。新たな勝負の年を迎えて、佐々木監督に話を訊いた。

Q:2011年を振り返ると、どんな年でしたか?

 昨年は、ワールドカップ優勝というチャレンジと、ロンドン五輪で金メダルを獲得するために五輪予選をしっかり勝つという、2つの目標を立てていました。北京五輪から攻守に連動するサッカーをやってきて、ワールドカップでは選手の自主性を重んじて、選手主導で戦ったのですが、彼女たちはその課題をクリアして、しっかりと結果を出した。すばらしい年だったと思います。
 五輪予選は準備期間の少ない中で、10日で5試合を戦うという、それまでに経験したことのないタイトなスケジュールで2つの出場枠の1つを取らなくてはならなかった。ワールドカップ優勝で、日本のみなさんに評価されて数々の賞をいただいていたので、なでしこジャパンにとっては、かつてないプレッシャーでしたが、その中で出場権を勝ち取った。しかも、ワールドカップとオリンピック予選では違う側面の戦いだったので、チームとして成長した年になりました。

 我々のバックボーンになったのは3月11日の震災でした。自分が苦しい時でも、もっと苦しんでいる人たちがいると思うと、僕自身も選手たちも、もうひと踏ん張りできた。それも、日本のみなさんに女子サッカーで少しでも勇気と感動を与えられたら、と� �う気持ちがあったから。そう考えると、いろいろな側面が結びついて結果になったのだと、つくづく思います。


クロアチアは、通常、何を着るん。

Q:監督が苦しかった時期というのは?

 五輪予選前の美作での合宿で、選手のコンディションが悪く、イメージ通りにプレーできなかった。試合中に動きが落ちても、それまでだったら上がってくるところが上がってこない。五輪予選で戦うアジアのチームは僅差での戦いが想定される強い相手。これは、ワールドカップとは違うイメージで戦わなければならないと考えました。
 (1日おきに試合という)あのタイトな予選スケジュールなら3週間は準備しないと難しいところを、1週間で準備しなくてはならず、選手には疲労もあってフィジカルにはばらつきもあった。選手とスタッフには、「理想のサッカーはしなくていい。守って機を見て攻める」と伝えましたが、予選のプランをどう立てるか、現地に入ってもかなり悩みましたね。世界チャンピオンと言えるほどの内容がない中で試合していても、1試合1試合で結果を出さなくてはならない。五輪予選は苦しかったことの方が多かったです。

 ワールドカップでのチャレンジの方が大きな迷いはないとはいえ、イングランドに負けて切り替えるまでの間もいろいろありました。でも中2日で大きなことはできない。連動サッカーをやるために、ファース ト・ディフェンスをしっかりさせて、不足していたコンパクトさを修正したぐらいです。負けるといろいろと出すぎてしまうところをシンプルにまとめて、選手たちに迷いを持たせないようにした。次の相手がドイツだったので、「失うものはない」と、かえって整理できて切り替えが出来たと思います。

Q:日本の戦い方が広く知られて、これまでにない状況になってきたが?

 そこはすでに加味しています。今回のワールドカップでも相手は我々を研究してきていた。U-20監督として世界大会に出た時でも、メキシコなどは日本を研究して工夫してきていた。イタチごっこで当たり前のこと。でも、だからやらないのではなくて、質で勝負したい。時にはキツイと思ったら、五輪予選のように引いて戦うこともある。そこは状況に応じてやりたい。


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Q:五輪出場を決めた各国については?本大会のチーム編成は?

 まだ出揃っていないが、ドイツが出られない以外は、どこが来てもベースのあるチームばかりで侮れない。あとは、CONCACAFからどこが出てくるのか…。
 我々がやっているのは緻密な連携・連動するサッカーなので、ワールドカップのメンバーがベースになるというのはある。それを大きく崩して1から作るということはない。選手登録数も21人が18人になるので、チーム内の競争にもなってくるでしょう。

Q:07年12月から率いてきて、現在のチームの完成度はどのくらいまで達していると?

 今のメンバーでやるのは北京五輪からなので、次の五輪で1つのスパンが終わることになると考えると、完成度は70パーセントぐらい。いい経験をしたことでグッと上がってきた。100パーセントへはなかなか持って行けないと思うが、かなりいいところまで来ていると感じている。あとは残りの30パーセントをどこまで100に近づけるかですね。

Q:その30パーセントはどの部分になると?

 フィジカルコンディションと実践するスキルの精度です。コンビネーションはやりながら上がるが、フィジカルコンディションとスキルは急には上がらない。しっかり築いてやることで、たとえゼロコンマ何秒でも反応やアジリティ(敏捷性)が変わってきます。
 基本的には、なでしこの持つ日本らしさを、もっとコンディションを上げてやる。今のベースを保ちながら、精度を高めていくということことに尽きます。幸い、ドイツのワールドカップに優勝して、親善試合のオファーがいろいろと来ているので、五輪までの計画が立てられる。そこでうまく経験させてあげたい。

 今、若い選手をテストしてみたいと考えています。U-20やもう一歩という選手がどう変化するか。12年最初の合宿でなでしこと少し絡ませることができるので、そこで行けるかどうかを試してみたい。それを刺激に、なでしこのメンバーを奮い立たせるようなプレーをしてくれるとありがたい。若手が出てきて、なでしこと競合させながらキャンプができれば、五輪へのいい準備ができます。


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Q:今年はU-20代表、U-17代表もそれぞれワールドカップ出場で、女子のすべてのカテゴリーで世界に挑戦するが、これらの代表チームとの連携はどのようにとっていますか?

 男子もやっていると思いますが、男子よりは女子の方が連携してやりやすいシステムで、いい流れになっていると思っています。U-20代表の吉田監督とはお互いの信頼関係もできている。使える選手がいればどんどん使ってほしいと言っている。U-17はスキル中心で、U-20になったらスキルに連携、グループ戦術を加味しながら質を上げることをやっています。

Q:ワールドカップ優勝で、なでしこジャパンが注目の的に。この変化をどう受け止めていますか?

 4位で終わった北京五輪後には、まだ女子サッカーが認知されていない印象が強かったが、今はどこに行っても「なでしこジャパン=女子サッカー」というように、我々のことも、選手の名前もよく知られていて、驚くばかり。うれしいことだが、我々はワールドカップも主導権を握って勝てたのではなく、ギリギリのところで勝利をもぎ取った。次にはロンドン五輪もある。チームとして、しっかりと足元を見て、まだまだやらなくてはならないことは多いです。

 なでしこリーグを視察していて感じたのは、Jリーグではアウェーの試合にもコアなサポーターは大勢ついてくるが、なでしこリーグでそれはまだ見られない。暖かく「応援してあげよう」という雰囲気。これからどれだけコアなサポーターを獲得できるか否かが 、今後の女子サッカーを支えるものになる。現状を冷静に見極めて、これをきっかけに継続して女子サッカーをサポートしてもらえるサポーターや企業を得られるように、しっかりした体制を確立していくことが重要ではないかと思います。


Q:どの国内リーグも盛り上がるような、本当の人気定着のために何をすべきだと?

 リーグでも、世界チャンピオンになった選手が各チームでプレーすることで還元できるものがある。昨シーズンのリーグでのプレーを見て、3分の1には満足だが、3分の2にはもっと出来るはずだと感じました。代表選手を見たい人は多い。選手はがんばっていないことはないが、例えば、神戸戦と同じような頑張りをほかの試合でも見せているか。なでしこがこれだけ多くの人々に受け入れられたのは、プレーで人々に伝わる部分があったから。それはひたむきにやることではなかったか。シーズン半分で結果を求めるべきではないかとも思いますが、まだまだやれるのではないかと感じました。

Q:北京五輪当時に思っていた2012年と現実との違いは?

 北京五輪でも選手の成長には脈を感じていたし、大会が終わったところから、選手主導の方向で行こうと考えていました。あの大会でもボランチは澤と阪口で今と同じ。(北京で引退した)池田選手のあとに熊谷が入って、新しく川澄選手らが入ったりしたが、大体はイメージ通りできている。ただ、五輪より先にワールドカップで結果が出た。目標として掲げていたものの、本当に優勝できるとは思わなかったので、それは想定外。それに、ワールドカップの全試合をテレビ放映してくれることなども、考えていなかったですね。

 今、僕は女子サッカーの営業マンだと思っているんです。この機会に女子サッカーを知ってもらうのは重要なこと。注目されるようになったが、女子の競技人口登録はまだ3万7千人。プレーヤー になろうという入口にいる子供たちに、目標とするチームにしてもらいたい。それに、震災でまだまだ大変な思いをしている方々がいます。ロンドン五輪でも女子サッカーでいい刺激を与えていけたらと思います。

 ワールドカップと五輪を続けて獲った国はまだありません。それだけ過酷ということですが、そこにチャレンジしたいと考えています。



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