ザックJAPAN 石川&大久保招集!アテネ世代は終わらない « スポーツ « 2014ワールドカップ « Kの部屋
最近では「谷間の世代は谷間じゃなかった」という声が
掲示板やSNS上を賑わせている。
先日、2/24のアイスランド戦に臨む日本代表メンバーが発表された。
皆さん既にご存知のことと思うが、ラインナップは下記のとおり。
GK
林卓人(仙台)、山本海人(清水)、西川周作(広島)
DF
駒野友一(磐田)、岩政大樹(鹿島)、今野泰幸(G大阪)
栗原勇蔵(横浜F)、近藤直也(柏)、伊野波雅彦(神戸)
森脇良太(広島)、槙野智章(浦和)
MF:
遠藤保仁(G大阪)、中村憲剛(川崎)、阿部勇樹(浦和)
増田誓志(鹿島)、柏木陽介(浦和)、磯村亮太(名古屋)
柴崎岳(鹿島)
FW:
石川直宏(F東京)、前田遼一(磐田)、大久保嘉人(神戸)
藤本淳吾(名古屋)、田中順也(柏)、金園英学(磐田)
久保裕也(京都)
海外組不在ということもあり、初招集の選手が目立つ形となった。
各ニュースを見ていると、どうやら大きく取り上げられているのは
京都の久保、鹿島の柴崎あたりのようだ。
いつでもフレッシュな新世代の招集は歓迎されるものだが、
特に今年はオリンピックイヤーなので、五輪代表にも関係する
世代の選手たちは注目度が高くなるということだろうか。
※名古屋の磯村ももっと大きく取り扱って欲しいなあ…
岩の上部軌道だが一方、もうひとつの「初招集」にも注目が集まっている。
既にフル代表の経験もあるベテラン世代ながら、
「ザックJAPANには初めて」招集された選手、大久保&石川である。
言うまでもなく、2人ともJの実績は十分。
大久保は、2010年南ア大会でも代表に入りスタメンも務めた、
日本代表の歴史に名を残す選手である。プレイだけでなく、
その負けん気の強さでも代表に大きな力を与える。
石川は、代表での目立った活躍はないが、同タイプのプレイヤーが
なかなかいないことから、毎度のように待望論が上がる選手。
いつも「石川は面白いよね。いまの代表でも見てみたいよね」と、
いわれ、現在の日本人選手ではちょっと特異な存在かもしれない。
なぜ彼らが今回招集されたかは、各メディアに載っている
ザックのインタビューにて確認できるが、大きな理由は
「メンバーのバランス」とのこと。若手選手を多く呼んだので、
同様にベテランも加えた、と。
大久保、石川、ふたりは同世代の選手だ。
大久保は82年生まれの29歳、石川は81年生まれの30歳、
2004年のアテネ五輪に出場した世代である。
この81年・82年生まれの世代が
「谷間の世代」と呼ばれていたことは有名な話。
史上初めてU‐17世界選手権の出場を勝ち取った中田英や松田の世代
(77・78年生まれ組み ※中村俊、柳沢、明神らもここに入る)、
そして、U-17の出場権は勿論、U-20にも出場し世界2位にまで
上り詰めた「黄金世代」こと79年・80年生まれ組(主な選手は
高原、小野、稲本、小笠原、本山、中田浩、遠藤ら)、
この二つの世代が融合するという史上屈指のランナップで、
歴代最強との呼び声も高かったシドニー五輪の世代と比較され、
そう呼ばれた。
シドニー世代が、五輪ベスト8、02年W杯ベスト16と順調に
世界の階段を駆け上っていく一方、
アテネ世代は、五輪はGL敗退に終わり、02年・06年杯には
ほとんど選手が選出されないという、厳しい道を歩んでいった。
だが、黄金世代達がまさに全盛期を迎えようという時に
開催されたドイツW杯、ジーコに率いられたシドニー世代は
無残な惨敗に終わってしまう。
――あの面子でもダメだった。しばらく日本は暗黒期か
日本中がガックリと肩を落とした2006年から4年後、
谷間の世代と呼ばれたアテネ戦士達が中心となった
南アW杯は、カメルーンとデンマークを破るという
快挙を成し遂げ、決勝トーナメント進出を果たした。
あの南ア大会のスタメンのうち、
川島、闘莉王、駒野、長谷部、阿部、松井、大久保
と、実に7人がアテネ組である。
世界2位メンバーの中で、南ア大会のスタメンに生き残ったのは遠藤のみ。
皮肉なことに、その遠藤は、シドニー五輪、02年W杯では
メンバーに選ばれず、06年W杯もフィールドプレイヤーで
唯一ピッチに立てなかったという、黄金世代では最も光が
当たらなかった選手である。
谷間の世代と呼ばれた男達は、自分達の出番となったW杯で
誰も想像しなかった快進撃を見せてくれた。
そして今、2014年のブラジル大会を見据えながら構築中の
日本代表に、大久保と石川が呼ばれている。
川島、今野、長谷部、阿部、前田など、アテネ組はまだまだ
2014年大会の代表有力候補として名を連ねている。
闘莉王のように、復帰が期待される選手もいる。
2006年の中心となったシドニー組は、2010年では輝けなかった。
2010年の中心となったアテネ組は、2014年も輝こうとしている。
※もちろんここから生存競争に敗れる可能性もあるが。
これはアテネ五輪組の奮闘による華麗なる大逆転なのか、
それとも先行くものが自滅したウサギと亀なのか。
いずれにせよ、アテネ世代はいま代表で生きている。
これから頼もしきベテランとなる彼らは、香川、本田、長友ら
若い世代の支えとして、必ずや日本代表の力となるだろう。
黄金世代は、遠藤ら数名を除き、若手を支える頼もしきベテランとは
残念ながらなれなかった。自分達が中心となる大会を終えると、
ほとんどの選手が代表から姿を消した。
だが、アテネ世代は2010年の大会を終えてもまだ代表にいる。
ベテランとして2014年へ向けた代表に呼ばれ続けている。
※当然、選手を呼ぶのは監督なので、選出についての責任が
100%選手のスキルやパーソナリティにあるわけではないが
まだまだアテネ世代は終わらない。
石川や大久保が代表に呼ばれ、この世代への興味が
さらに大きくなっていく今日この頃である。
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