疑念・解任・発覚・調査、そして謝罪。2011年12月7日、オリンパスの高山修一社長は都内で記者会見を開き、同社の取締役会と監査役は経営者を監視する役割を果たせなかったとして、一定の目処がついた時点で役員を交代する方針であることを明らかにした。また、当初からオリンパスの経営体制のあり方を問題視していたマイケル・ウッドフォード氏については、「私どもがやれなかったことをした」と一定の評価を下した。

　「経営の中心部分が腐って」いた。オリンパスの不透明な資金の流れの実態解明を進めていた第三者委員会は、6日の会見で同社をこう位置づけた。事の発端は10月14日、マイケル・ウッドフォード社長（当時）が解任されたことにある。ウッドフォード氏は、同社がM&A（企業の合併･買収）を進めるなかで仲介者に数百億円もの報酬が支払われていることに疑念を抱き、調査を命じたばかりだった。

　ウッドフォード氏は退任後このことを告発。海外メディアなどで大きく報じられると、オリンパスは11月1日に第三者委員会を設置し、事態の解明を急いだ。また同月8日には、同社が1990年代から合計1000億円超の「損失隠し」を行っていたことを公表するとともに、森久志副社長らを解職した。

　12月7日の会見は、前日に第三者委員会が明らかにした調査報告を受けて開かれたもので、高山社長と経理部長の大西利幸氏が出席した。高山社長は、同社の再建のメドをつけたうえで現在の役員が退陣する方針であることを明らかにするとともに、かつて「独善的」だと批判していた元社長のウッドフォード氏について聞かれると、

と語り、ウッドフォード氏の問題提起を評価した。