JVC、無線LAN搭載ビデオカメラ「Everio」3機種 -AV Watch
JVCケンウッドは、JVCブランドのビデオカメラ「Everio(エブリオ)」の新製品として、無線LAN機能を内蔵し、スマートフォンやタブレットと連携できる「GZ-VX770」、「GZ-EX270」、「GZ-EX250」の3機種を2月下旬に発売する。価格は全てオープンプライス。店頭予想価格は「GZ-VX770」(内蔵メモリ32GB)が10万円前後、「GZ-EX270」(32GB)が7万円前後、「GZ-EX250」(16GB)が6万円前後。3機種ともカラーはプレシャスシルバーのみ。
内蔵メモリは「GZ-VX770」が32GB、「GZ-EX270」が32GB、「GZ-EX250」が16GB。全モデルSD/SDHC/SDXCカードスロットも備えている。「GZ-EX270」と「GZ-EX250」の違いは、内蔵メモリ容量のみとなる。
また、F1.2の明るいレンズを採用し、裏面照射CMOSを搭載した高画質ハイエンドモデルとして「GZ-G5」も2月下旬に発売する。価格はオープン、店頭予想価格は11万円前後。無線LANは備えておらず、内蔵メモリは64GB。カラーはブラックのみ。こちらは別記事で紹介する。
■無線LANでスマホ/タブレット/PC連携
「GZ-VX770」、「GZ-EX270」、「GZ-EX250」に共通する特徴は、ビデオカメラ本体に無線LAN機能(IEEE802.11 b/g/n)を内蔵した事。iOS/Android用に無償提供される専用アプリ「Everio sync」をインストールしたスマートフォン/タブレットとビデオカメラを無線LANでダイレクト接続、もしくは無線LANルータを介して接続。ビデオカメラを離れた場所からコントロールできる。
アプリで、カメラが撮影している映像をチェックしながら、録画の開始/一時停止、静止画撮影が可能。アプリ画面に「W」と「T」のボタンも備え、レンズを遠隔操作でズームさせる事もできる。これにより、隣の部屋の赤ちゃんをモニタリングするといった使い方ができるほか、インターネット経由での制御も可能。外出先から家の中を確認する事もできる。
ただし、インターネット経由での接続にはUPnPに対応した無線LANルータと、グローバルIPアドレスが取得できる家のネット環境が必要。JVCがダイナミックDNSサービスを提供。ユーザーが専用サイトで登録を行なうと、家のビデオカメラにアクセスするための専用URLが与えられ、前述のアプリの設定画面でそのURLを入力しておくと、アプリを立ち上げるだけでカメラにアクセスできる。なお、iPhoneなどのiOSデバイスからの接続する場合、3G回線からのアクセスはできない。
スマートフォンやタブレットとビデオカメラは、ダイレクトで無線LAN接続する事もできるため、無線LANルータが無い屋外などでも、連携は可能。
また、撮影した動画・静止画を、無線LAN経由でスマートフォンやタブレットなどに転送する事も可能。インターネットを介した転送にも対応しているが、いずれも転送できる動画は最大5分に制限されており、前述のアプリから、5分ごとに区切られた動画のインデックスが参照できる。任意の部分を選び、転送操作をすると、スマートフォンなどに転送できる。カメラ側ではAVCHDで撮影されているが、転送動画はリアルタイムにカメラ側で640×360ドットのMP4にコンバートし、転送される。5分という制限は「転送所要時間などから考慮したもの」だという。
さらに、カメラが人の顔や物体の動きを検出すると、静止画を撮影し、あらかじめ登録したメールアドレス(最大8アドレス)へ、写真を添付したメールを送信する「お知らせメール」機能も利用可能。子供の帰宅の確認、留守番中の家族の確認が行なえる。
これらの機能は組み合わせて使う事ができる。例えば、外出時に「お知らせメール」機能をONにした状態で家を出て、ビデオカメラが室内で動くものを察知すると、自動で静止画を撮影してメール添付でスマートフォンに送信。ユーザーがスマホでそれを確認した上で、アプリの「Everio sync」を使って、実際に動画で家の状況をチェック。また、ビデオカメラ側で「動くものが察知されたら静止画だけでなく、動画も撮影を開始する」という設定もできるため、録画されている過去の映像の一部(最大5分)を、ネット経由でスマートフォンに転送して見る……という事もできる。
この際、「Everio sync」のアクセスをやめると、家のビデオカメラは「お知らせメール」待機状態に戻る。ただし、「お知らせメール」状態のON/OFFは、アプリからネットワーク経由では行なえないため、外出時にONにしておく事が必要。
なお、モニタリング時の動画はレスポンスを考慮し、ビデオカメラから映像をJPEGデータとして連続的に送信する方式になっている。
この遠隔操作・表示は、PCからも可能。専用のURLに、ブラウザ(Internet Explorer9/Windows 7/MediaPlayer 12以上が必要)でアクセスし、モニタリング/録画制御が行なえる。この際、アプリと同様にJPEGの連続データを表示するモードでは、録画制御が可能。また、制御はできなくなるが、カメラ側で録画しているのと同じMPEG-4 AVC/H.264のフルHDで、レートだけを5Mbpsに落としてPCに送信するモードも用意。高画質/高解像度で部屋や景色などをチェックしたい場合に使えるモードとなっている。
また、これらアプリ/PCからの利用とは別に、最大15秒の短いメッセージ動画(MP4/640×360ドット)を、メールに添付。ビデオカメラから、あらかじめ登録したメールアドレスに簡単に送信する「ビデオメール」機能も用意している。
■ビデオカメラ機能
3モデルとも、フルHDのAVCHD録画に対応。撮像素子は、VX770が1/4.1型の総画素332万画素、EX270/EX250が1/5.8型、総画素150万画素のいずれも裏面照射CMOSを採用している。
レンズはVX770がJVC製のHDレンズ、EX270/250はコニカミノルタのHDレンズ。動画撮影時、35mm換算の焦点距離は、VX770が32.8〜594.5mm(ダイナミックズームON時)、32.8〜396mm(ダイナミックズームOFF時)で、光学10倍ズーム。EX270/250は42〜1,680mmで、光学40倍ズームとなる。
手ブレ補正機能はVX770が光学式と電子式のハイブリッドで、アクティブモード搭載。EX270/250が電子式で、こちらもアクティブモードが利用か可能。
ほかにも、人間だけでなく、犬や猫の顔も検出可能な「ペット検出」機能、笑顔の度合いがわかるスマイルメーター、動画撮影中に笑顔度を判別して写真を撮影する「静止画自動撮影機能」なども備えている。
液晶モニタは3型、23万画素のクリアブライトIII液晶。出力としてHDMIミニやAV出力を用意。外形寸法と重量は、VX770が36×115.5×57mm(幅×奥行き×高さ)、約215g(本体のみ)、約235g(付属バッテリ込み)。EX270/250が、51×117×55mm(幅×奥行き×高さ)、約195g(本体のみ)、約235g(付属バッテリ込み)。付属バッテリを使った際の連続撮影時間は、VX770が約1時間20分(実撮影時間約45分)、EX270/250が約2時間(同約1時間5分)。
■ネットワーク対応と高画質、ビデオカメラの2つの方向性
ホーム&モバイル事業グループ 事業企画統括部長の鈴木雅之氏は、YouTubeやFacebookの台頭により、動画でのコミュニケーションが活性化し、市場が拡大している事。デジカメやスマートフォンで動作撮影機能が充実してきた現状を踏まえた上で、JVCがビデオカメラで今後目指している商品の方向性は2つあると説明。
1つはCES 2012でも展示された、4K2K/60p撮影が可能なモデルなど、「よりリアリティのある映像を実現する軸」(鈴木氏)。それに加え、「映像とネットワークを活用する事で、新しいコミュニケーションのスタイルを提案する」という方向性も説明。それを体現した製品として、「GZ-VX770」、「GZ-EX270」、「GZ-EX250」を紹介した。
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